只野研究室では、医工連携として進めている手術支援ロボットシステムや遠隔操作に関する研究などを中心にヒトへの効果的作業支援やヒトと機械の高度なインタラクションの実現を目的とした研究を行っています。また、バルブや空気圧回路など空気圧サーボシステムの性能向上に関する研究についても取り組んでいます。

弾性チューブを用いた空気圧サーボバルブの開発

 空気圧駆動のロボットシステムにおいて,空気圧サーボバルブはアクチュエータの性能に直結する重要な要素です.現在,大流量かつ高精度を実現するサーボバルブとして,スプールの位置をボイスコイルによって制御し流量を制御するスプール型サーボバルブが広く使われています.しかしスプール型バルブは摺動部をもつため,そこから空気の漏れが発生し,それに伴い空気の消費量が増加することで大きなエネルギーロスが生じるという問題を抱えています.

 そこで本研究室では,弾性チューブをサーボモータに取り付けたカムでつぶすことで流量を制御する,空気の漏れが起こらないサーボバルブを開発しました.実際にロボットシステムに実装し,既存のスプールバルブと比較した結果,漏れ流量を最大95%減少させることに成功しました.